人が意思表示をしたり、他人を認識する第一線は、交わす言葉と纏った衣服であると考える。
様々な「表裏一体」の中で、存在していくための調和とは。
デザイナー自身も含め、多数の人が日常的に身につける衣服において、在宅時のような解放感と外出時のような緊張感の調和を探していく。
今季は、家と外の延長線に砂漠とオアシスの関係をイメージ。作り始めは意識しなかったが、デザイナー自身が選んでいく色や素材に自然と反映されていった。
夏の夜の家の網戸によくいる、かなぶんを見て作ったブルゾンや、多用しているオレンジ色は、陽のあたった砂の色を草木染め(ユーカリ)で染色している。
クレマチスの花で柄を作り、メンズ、ウィメンズともにプリントアイテムを数点制作。蜃気楼のようなものの中にある、いつもの洋服を見ていた。
そしてsemohのコンセプトにある「在宅時のような解放感と外出時のような緊張感」すらも表裏一体であるかと考え、革靴を制作した。