今季のテーマは『distance』。
divkaの服は、海外では日本的と言われ、日本ではヨーロッパ的な服だと言われる。海外と日本におけるこの認識のずれはデザイナー達自身にとって興味深いものであった。認識のずれ。それは、衣服の日常においても、避けがたく起きていること。身にまとった服の、身体の動きによって生じるずれ。時間の経過によって生じるずれ。そして、服作りの視点をずらしてみること。
今回のdivkaのコレクションは、服作りの過程におけるずれを主題的に扱うことから始まっている。平面の、まっさらなトワルを組み立て、プリントを施し、やがて人体を包む衣服へと変えていく服作りの過程の中で、一枚のパターンに切れ込みを入れ、袖を繋げることで独自のドレーピングを生み出し、シルクスクリーンプリントの工程で生じた歪みを積極的に活用し、フィッティングモデルの思い違いから、新しい発想を膨らませていった。今回のコレクションにおいて、服作りの約束事からの逸脱を肯定し、少し隔たったところから、服作りの新しい可能性を信じようとしている。