そろそろ新しいコレクションのSSに関してと、来月のことについて書くつもりです。
これは一つのプロジェクトみたいになっていて、
ボネゲらしさを感じてもらえる、内容だと思ってます。
その前に、私のルーツでもある
boy daikanyama
について。もうここには通い始めて10年目になります。
いきつけの美容院という言い方では、納得いかない程、この場所と、ここのスタッフさん達には本当に色々と刺激を頂きました。
もう居なくなってしまったスタッフも、何度もリニューアルしているHPも、
秘密基地も、新しく出来た部活も、タイに出来た支店も、
客のわりに思い起こせばそんな昔から知ってるのかと。
始めは、私の友人がカットモデルをやっていて。いつも違う髪型で、どこの雑誌でも見ない独特なフォルムで。その子によく似合ってた。他の人とは違う。でもこの人にしか出来ない物を、十分に引き出していたし、よく似合ってた。流行でもない。独特な何か。
その子に紹介されて行く事になったのが10年前の話。
初めて行った日の事を今でも覚えてます。
こうしてくださいと言ったのに、全く違う髪型に。ということはよくある話かもしれないですが、それが私には衝撃的で。接客、空間、やってもらった髪型全てが。
カタログはありません、スケッチと鉛筆があります。
ハサミを置いて、話をします。髪を切る合間の話し方ではありません。
話す内容は浅はかな世間話ではありません、あなたの知らない話をします。
アート、ファッション、音楽、映画、どれもコンセプチュアルな話ばかり。だれも
教えてくれない事ばかり。
その時はそんな印象だった。もっと強く残ってるような気がするけど。
いまでも下手にカタログなど使いません。私はキーワード、言葉だけ伝えて髪を切ってもらいます。
教科書の内容を覚えれば、無感情でも簡単に100点取れるような世界から、
全く真裸にされた世界へ、強烈に惹かれた。感受性の高い年齢で、誰しもが経験するであろう、閃光が走るような衝撃を与えてくれたのが、私にとってはboyだった。
それから、従う事から、造り出す事へ自分の進む道を100%変えました。
ここはとても大切な場所です。
ここでの記憶や、自分がその時感じた事を、ボネゲを通して伝えたいのかもしれないですね。
boyはただの美容院ではありません。ここはある意味、もう一つの作業場みたいなところで。今は担当の小林さんが表参道に移動のため、boy CAMERAに行くのですが、ここには本が沢山あります。一つ一つ、ゆっくり読みたい本ばかりです
髪を切りながら、コアな本を何冊か紹介してくれます。その中でとても印象に残った本で、
「布を切る事は肉を切る事」
と書かれた本がありました。
すごくいい言葉だったので題名にしました。
boyの良さについては語り尽くせません。ただ、行ってみて下さい。興味が湧いたら。
こないだのレガンもここで先にやってました。