アンティークマーケットにいるような女の子が幻想的に大人になっていく様をクラシックボヘミアンに落とし込んだ今シーズン。

桐生のゴブラン織りの花柄生地に出会い、布をきっかけに今回の女性像が浮かび上がった。トラディショナルな素材とデニム、ゴブラン織りの３要素をミックスし古着のテイストを組み込んだリアルクローズなアイテムから繊細なレースやリボン使いが見られるmotonari onoが得意とするドレスラインを展開している。

より近くでじっくりと見せられるように、ロンドンのポートベローマーケットのような空間をイメージした今回。「スタイリングの提案をしたかった」と語るように、前身頃にはレース刺繍を施したデニム、後ろ身頃にはゴブラン織りのスカートやスーツ地とゴブラン織りを組み合わせたジャケットなどクラシカルな素材から異素材をミックスしたデザインを提案することで日常にいるような女の子へのアプローチを感じる。

花びらが開いたような肩のディテールのワンピースやイエロー×ピーコックグリーンのバイカラーモヘアコートなど様々な素材や要素を盛り込む。固めのゴブラン生地のシルエットを引き出すためリンゴ型のスカートにしたり、裾にふくらみを持たせることで布の量感で見せるコレクションに仕上がっている。

Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Tomoka Shimogata