ブランド名の由来でもある小説「ファクトタム」の著者でアメリカの作家、チャールズ・ブコウスキー自伝的小説『ポスト・オフィス(Post Office)』をインスピレーション源に、ポストマンスタイルが提案された今シーズン。ブコウスキーの墓に刻まれた「DON’T TRY」 という言葉の裏には「好きなこと、同じことをやり続けろ」という強いメッセージがあり、これを受け、来シーズンで10年目を迎えるにあたりテーマを「DO TRY(やってみよう)」とした。
ブルーコートやブルゾン、モッズコートといった米のUS MAILの鷹モチーフをベースに迷彩柄や鷹を象ったキルティングがメインテキスタイルとなっている。ポストマンらしく、斜めがけのメールバッグや小包を持った演出だけでなく、エアメールの斜線枠の要素をポケットに起用し細かい部分にも徹底したアイテムを提案。
ライン入りのスポーツジャージーパーカーやスノージャケット、ワッペン付きシャツといったワークテイストを盛り込む。60年代のロサンゼルスの要素を取り込みつつ、ポストマンの歴史がイギリス発祥であることから英国紳士的な細身のシルエットを展開している。
後半にはアメリカンロックを感じるハードなライダースやレザースタイルが登場。ポストマンカラーとして赤と黄色をキーカラーに古き良き時代のアメリカを感じるコレクションとなった。
Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Tomoka Shimogata