Fashion Show

Rags McGREGOR

Rags McGREGOR 2013-14A/WのテーマはBritish Invasion; ブリティッシュ・インヴェイジョン。
1960年代中期、アメリカのヒットチャートは若いイギリス人アーティストたちに独占されていた。
ビートルズやローリングストーンズをはじめ多くのバンドの音楽が、それまでロックンロールやカントリーソング一辺倒だったアメリカ中のラジオから流れ出した。この状況を当時のマスコミは「英国による(音楽的)侵攻」と解釈し、「ブリティッシュ・インヴェイジョン」と呼んだ。

英国の影響を受けたこの当時のアメリカの音楽シーンからインスピレーションを受け、《McGREGOR》に代表されるアメリカの60年代のカジュアルスタイルとロンドンやリバプールから生まれたトラディショナルなブリティッシュスタイルをミックスアップ。
これまで50-60年代のヴィンテージライクなアメリカン・カジュアルを表現してきた《Rags McGREGOR》にブリティッシュな要素が加わり、ちょっとドレッシーに、セクシーさを加え、さらにクールなワードローブが完成。
もちろん、マスキュリンなブラックのイメージは健在。
ロック、ジャズ、ブルース、フォークなど多彩な音楽性を背景に、より幅の広がったコレクションとなった。
ニューヨークにやってきたデヴィッド・ベイリーがアンディ・ウォーホルのファクトリーでボブ・デュランに逢う。
そんなイメージ。

アウターアイテムでは、ベルベット・アンダーグラウンドのメンバーが着ていたような薄手のレザージャケットやジョニー・キャッシュが着ていたような黒のランチコート、60年代のウォーホルのミューズたちが着たような裏地に毛皮をつかったデニムジャケット、英国のテディ・ボーイたちが愛したチェスターフィールドコート、ロイヤル・ネイビーからの偉大なヘリテイジである10ボタンロングPコート、モッズたちに人気のあったステンカラーコートなど。
シャツアイテムでは、トーマスメイソンの千鳥格子チェック生地を使ったショートポイントカラーのワイドスプレッドやボタンダウンのブリティッシュテイストなシャツ、ボトムスでは定番の細身のデニムに、更にスリムなデニムが加わった。
こうした秋冬のオーセンティックなアウターに、ロンドンっぽいショートポイントのBDシャツにスリムなボトムスをコーディネイトするいかにも60年代スタイル。
また、ニットも60年代のIt Girlが着ていたオーバーサイズのボーイフレンドニットやカーディガンなど、ルーズ&タイトなシルエットを提案。

他にも‘JAMES DEAN DIES IN AUTO CRASH’‘JOHN LENNON SHOT DEAD’‘MARILYN DEAD’‘ANDY WARHOL DEAD AT 58’など、著名人の死の報道を載せた新聞記事の見出しを切り取りデザインに落とし込んだブラックユーモアなTシャツや、60年代のマックレガーチェックをアップデイトさせたチェック柄とヒョウ柄の2種のオリジナル生地を使用したオープンカラーやビックサイズのネルシャツ、ガウン、タイ、バンダナなど充実のラインナップ。

ブリティッシュな要素を取り入れた新しいアメリカン・カジュアルを主張した。

Text:Kumiko Kobayashi


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