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不定形な手の痕跡を主軸に作品を発表するジュエリーブランド。手の痕跡を作品に残しつつ、着用方法/造形/意味が不定形な物を生み出す。ファーストシーズンとなる今期は、独特なデザインのシルバーアクセサリーや革の小物が並んだ。

ストーン加工を施した平打ちリングと槌目加工を施した丸リングをチェーンで繋いだシルバーリングは、加工をひとつひとつハンマーで細かく叩いて施しており、様々な着用方法を可能とする。一枚の銀板ですべて構成される様に制作されたリングは、板に手切りで切れ目を入れていき、折り曲げて立体に成形。着用する角度、見える部分によって見え方が何通りにもなる様になっている。

革ものでは、レザーと真鍮製のバックルで製作されたブレスレットを発表。オイルをかなり含んでいるレザーは、使用しているとすぐに経年変化が感じられどんどん味が出て来て表情が変わって行く。バングル部分の真鍮のプレートを手切りで不定形に切り取り、金具も一つ一つ切り出し制作。レザーベルト部分が2重巻きになっており、巻いていくとレイヤーされる様に裁断。

異素材との組み合わせも行い、馬のタテガミとシルバー950を組み合わせたアイテムは、ネックレス・ブレスレット両方の使い方が出来る。フック等、金具部分にもこだわり、オリジナルで制作。繊細ながらボリュームがあり、上品な雰囲気に仕上げている。
絵画のアンフォルメル芸術を意識した作品には、日本の伝統的な素材でもある陶芸に使われる柚薬をトップに独自の方法で溶かし付着させている。付着後にあえて割ることで、不定形な絵画のような雰囲気のエナメル部分とシルバーの独特な緊張感のある雰囲気を演出。

Photo:Yoshiaki Miyahara Text:Kohei Tsurumoto


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