Fashion Show

The Dress & Co. HIDEAKI SAKAGUCHI

昔と今のフィレンツェの街並、教会、モザイク画からカラーインスピレーションを受けた今季。シャツにスカーフ、ハイウエストパンツと1920年代の風合いを取り込んだマニッシュスタイル。灼熱の太陽のようにこってりとしたオレンジがエキゾチックなフレアスカート、モスグリーンのスリムパンツ、襟腰の高いコートなどが聡明で上品な女性像を組み立てている。

キャメルにグリーンのチュールを重ねたドレスは、フェミニンになりすぎず、香ばしい大人の苦みを感じる。首の後ろで結ぶ大きなリボンが目を惹く。ビッグシルエットのファーダウンや白いファーにベージュウールのコートとファーを多用し、色気を求める上で計算されたバランスを構築。「身体と服の間の空気のバランスが色気に基づく」と考えるデザイナー、坂口氏。 爽やかなミント×ブラウンのダウンジャケット、幅広のカーゴパンツ、ガウンなど上半身は大きく、腰回りは絞り、肩はダーツで丸く仕上げている。

クラシカルな時代背景を振り返り、たどり着いた日本の着物の美しさがバランスの要を握っている。新しい色気あるトラディショナルを追求したコレクションとなった。

Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Tomoka Shimogata

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