Fashion Show

mintdesigns

陶器やガラスなど壊れやすいものに着目した今季。梱包して出荷を待つ場所として舞台となったのは、新木場駅前倉庫。

頭には欠けた皿をコーティングしたヘッドドレス。ウエッジウッドの陶器から連想する水色や黒のプリントワンピース。スカートのサイドに付いた包装紙を束ねたようなモチーフが可憐に揺れる。壷型コートは、瓶を象ったような立体感が新鮮なシルエットを形成している。
切り子ガラスをイメージしたプリントやヴィクトリア調の花柄プリントは、清潔感のあるホワイトを軸にブルーやネイビーを展開。ロールアップすると「HANDLE WITH CARE」のテープが巻かれたパンツや総柄のメッセージプリントなどは直線と曲線のカッティングを融合させ、ひねりの効いたラインを生み出している。

また「FRAGILE」のテーマに合わせた実験的な試みとして、グラスオーガンジーにジェルプリントを施したテキスタイルを披露。樹脂によってガラスそのもののような透明感と光沢が表現できる。爪で触れると音が鳴りそうな表面の浮き彫り細工が、よりリアリティを増す。

「壊れやすいものは、本当に大切にしないと形が失われるが、洋服は形が成立している。その対比が面白いと思った。」とデザイナーの勝井氏と八木氏。昨シーズン、10周年を迎えたmintdesigns。「ファッション・グラフィック・プロダクトと全てを手掛けていきたい。その間の行き来が面白い。だから今回プロダクトをファッションに落とし込んだ。」と初心に戻ってブランドの在り方を見つめ直し、また新たな一歩を踏み出した。

Photo:Koji Shimamura Text:Tomoka Shimogata

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