Né-net

パリで開催されたインテリア&ライフスタイルデザインの展示会「メゾン・エ・オブジェ」に出展した”木の親子”が展示された場内では、小鳥のさえずりが響き渡る。「living together,being together」、人間と動植物との”共存と共生”を思い描いた。

造形作家、外村友紀氏が手掛けた、圧倒的な存在感を放つ植物や動物のヘッドドレス。白地に淡いオレンジやブルーのフォレストプリントのパフスリーブブラウスやロングスカート、スカートにシャツワンピースを重ね、足元へ向かうにつれて広がるシルエットが木々のようだ。レースハンカチーフは木の葉のごとく連なる。
雨の雫をくり抜いたフリルブラウスなど、ディテールにNe-netなりの表現で自然現象を取り込んだ。「震災によって自然の恐怖を身に滲みて感じたからこそ、これまで以上に自然と向き合っていく生きていく必要性を感じた」というデザイナー髙島氏の思いを背景に、人間と動物が足並みを揃えている。

森の中に木こりの少女と動物を描いたジャガードスカート、動物の手をイメージした長く伸びた袖は、リボンテープやファーをコラージュ。狐ポケットのついたジャージーや熊が人間を包容しているようなケープ、蛇マフラーなど愛嬌のある動物たちがユニークに作り込まれている。

Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Tomoka Shimogata

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