taRo

文化服装学院在学中である小野遼太朗と、グラフィックデザイナー杉本麻美子によるtaRO。「テクノ」と「モード」を掛け合わした造語「TECHMODE」をコンセプトにし、シンプルな型にインパクトのある加工を施したアイテムを並べる。

デザイナーである小野遼太朗氏は、元プロボクサー、DJ、文化服装学生といくつもの顔を持っており、それぞれの経験から落とし込まれたギミックやディティールは他には無いオリジナリティを生み出す。

今期の特徴は「テクノ」感を表した乱反射するエナメルとデコラティブな棘。エナメルは、クラブ好きなデザイナーらしいクラブでの身動きを考えて作られたフロント部分に取り付けられた大きな袋や、ダメージ加工ジーンズの下から覗かせる裏地などに使用。ワンピースやパーカーストール等に施された棘は裁断の時点でデザインされている事により、布を縫い合わせた時に立ちだすようにされている。他にもウレタンを中にいれた大きなスタッズをいくつも裾に施したアイテムなど、クラブでの暗がりを表現したブラックを基本としながらも、デコラティブな造形やシルエットでアイテムに色を入れている。

また、音楽とファッションの融合をめざし、シーズンごとにアイテムに合う曲やMIXをデザイナーが選択し、ブランドのHP上でその曲を聞きながら最新コレクションを見る事ができる。ファッション団体「HYPE」でのランウェイや、若手ブランドを集めたHPの解説など自分たち発信のアクションを進んで起こしているtaROの今後の活躍に期待したい。

Text:Yoshiaki Miyahara

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