今回初のランウェイショーを行ったDRESSEDUNDRESSED。「HOMUNCULUS」をテーマに、私達が日常の中で作り出すもう1人の自分をイメージとして作り出す。

タートルにハイウエストのスラックスパンツ、白衣のようなドレスシャツ。身体には生活の中の縛りを象徴するショルダーベルトを絡めている。MA-1型のウールコートやシンプルなカッティングが特徴的なテーラードが登場。デザイナー自身が着たいものに重点を置いたデザインで、格好付けたクールな要素を踏まえつつ、カシミヤやウール等の良質な素材を多用することでリラックス感を混ぜている。背筋が伸びるような研ぎすまされたシルエットが、自分のラインを形成していく。

映画「アメリカンサイコ」からインスパイアされたレザーロンググローブ。殺人を犯しつつ、潔癖性で繊細な登場人物から切り取った、感度の高い人物像を描き出す。

今回ショーを組み合わせて発表した映像作品。制作にはSHOW STUDIOのCONTRIBUTOR LISTに名を連ねるアーティスト、MALCOLM PATE(マルコム・ペート)をロンドンから迎えた。映し出される、”影に入り暗闇の中にいる自分”と、光に当たり時折見える”もう１人の自分”の姿。
映像を組み合わせたことについて「いわゆるランウェイショーではなく、より体感出来るものにしたかった」とデザイナーの北澤氏。コレクションの答えを導き出すような作品となった。

Photo:Koji Shimamura Text:Tomoka Shimogata