support surface spring&summer 2012 collectionが披露された。
今シーズンのテーマは「stream=なびく」。春夏に向けて明るい風になびくような軽さと、その中に簡単になびかない存在感の強さを表現した。
ぼんやりと浮かび上がった風の通り道に、元々そこに存在していたかのように現れる影。haruka nakamura氏によるノスタルジックな旋律に沿って、円形シャツや包容感のある丸い袖といった凛とした、女性らしい柔らかなシルエットが登場。
袖やバックにギャザーを寄せ、シンプルですっきりとしたラインに部分的に加えられた、落ち着いたボリュームがアクセントになっている。フロントスタイルとバッグスタイルの異素材の共鳴が１つの物語を生み出す。女性らしさを感じる、袖口、裾、襟ぐりといった服と布の境界線である出口の微妙な間の取り方を意識し、360°どこから見ても美しいラインが考えられている。
白いキャンパスには小麦色や若草色、赤紫蘇色など、透明感のある繊細な色彩が広がる。歩くたび、品やかになびくフルレングスのドレープスカートの後ろ姿はパンツスタイル。パンツをスカートと思わせる意外性を盛り込んだデザインが印象的だ。シフォンやシルク素材は海の妖精、ウミウシのように可憐に踊る。
またボリューム感のあるボトムスに対して、ナポレオンジャケットのような丈短なものから、麻に見えるコットンを使用したものまで、コンパクトなアイテムがスタイリングされた。単色でも圧倒的な存在感を放つスカイブルーや水彩パレットを想起させるピンク、イエロー、オレンジ、ラベンダーが入り交じるテキスタイルがサーキッド状のランウェイを彩る。
「空間を共有する。服ばかりでは存在できない。香り、味、色といった視覚的なもの、そして着ていただいて感じるもの、そういった見えない空気感のかかわり合いが重要。」とデザイナー研壁氏は言う。
天然素材の心地よさ、自然な光。 ショー終了後、ランウェイには登場した作品が展示された。見るだけではなく、触れて気が付くこと。ディテールへの綿密な配慮を感じる。