2011年9月14日、代々木第一体育館にて行われているrooms23にてNOZOMI ISHIGURO tambourine 2012 Spring/Summer Collectionが披露された。
NOZOMI ISHIGUROから新レーベル「NOZOMI ISHIGURO tambourine」がデビューした。
控えめな暗がりの中から鋭く登場したヴィヴィッドカラーのプリントテキスタイルの数々。目の奥に残る強い色彩と独創的なコラージュプリントのシフォンブラウス、マキシ丈スカートがキャンドルの灯火のように靡く。ダメージの効いたミリタリースタイルのベスト、ドルマンスリーブジャンパーに施された柄と柄、色と色の絶妙な組み合わせのパッチワークが光る。レッド・オレンジ・ブラックをメインカラーに、Tシャツにスキニーパンツといったベーシックでコンパクトなシルエットが目立つ。
後半には、ボブ・ディランの”Mr.Tambourine Man”のメロディーに沿って、バックがクモの巣のように大胆にカットされたTシャツやデニムのオーバーオールが登場。「タイムレス」「リアルストリート」「リーズナブル」の3つのキーワードを軸に、デザイナーの個性が反映されたテキスタイルが、より軽やかなタッチで表現された。
配布された1枚の紙の裏に、小さく書かれた「treason(=反逆)」の文字。今までやってきたコレクションを、良い意味で”裏切る”という自身に対して内向きな感情を込めた。デザイナー、石黒氏は感じた。自らが思春期だった頃にあった「格好いい服を着たい」「ファッションデザイナーに憧れる」「人と変わった格好をしたい」というようなこだわりが現代の若者にはないと。「原宿」ターゲットの服で、クチュールラインと逆の戦い方をする。
「作らないで作る」とはどういうことか。 タンバリンは、とてもシンプルな楽器で、基本的なものだけどたたき方を変えれば面白い。そんなブランドになれば、と石黒氏は語る。