天津 憂氏によるA DEGREE FAHRENHEIT 2012 S/Sコレクションのテーマは「116.600000°F(47℃)」。
ニホンバチは48〜50℃、スズメバチは47℃。
この温度は互いの致死温度であり、ニホンバチは天敵であるスズメバチが侵入すると、蜂球(ほうきゅう)と呼ばれる塊で彼らを囲む。塊内部は47℃。あと1℃上昇しただけでニホンバチ自身も死んでしまう危険な状態でありながらも、身を守る為に生まれた蜂球の芸術的で生命力あふれる美を今コレクションで表現した。
デザインに多用したダーツは蜂の針を表し同時に致死温度との境界を表現している。
巣を想起させるメッシュ素材はソフトな素材、ハリのある素材等と合わせ、異素材から生まれるフォルムは蜂球の形成を描いている様。
ブラック、グレー、カーキブラウン等のダークトーンのみのカラーアイテムは、正面からのみで照らされた演出照明で、静かな気迫と重点のみを絞った力強さを感じるコレクションだ。
Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Kumiko Kobayashi
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