2011年10月18日、belle salle shibuya firstにてIN-PROCESS BY HALL OHARA SPRING/SUMMER 2012が披露された。
「ヨーロッパの儀式形式VSアメリカの発達」をテーマとした今季。前回のコレクションで着目した大量生産に入り始めたアールデコから一歩踏み込んで、ヴィクトリア時代、エドワード時代などヨーロッパの儀式形式的なファッションとシンプルで機能的なアメリカとのコントラストのコラボレーションを試みた。プリントテキスタイルがランウェイを彩る中、ジャンヌダルクの鉄格子などからインスパイアしたグレー基調の格子柄や幾何学的模様の直線を混ぜ合わせた星柄をヨーロッパのダークなデザインと、アメリカのナチュラル素材のリラックスしたスタイルに融合させ、落とし込んでいる。肩から流れるように大胆にドレープを入れたボリューミーなドレスの袖には、アメリカの象徴である星条旗を。
旗は、日本をはじめ世界のリーダーシップの欠如を誇張している。裾や袖、同じプリントを取り入れながらも、異なる素材を使用して様々な角度から、前に進めず何も変わらない社会を見る。古き良き時代を振り返り、壊す勇気の必要性。ギンガムチェックにストライプ、定番となった柄に新しく生まれた柄を組み合わせる。スタイルにおいても、形態が強く出る生地で、フリルやボックス、パフスリーブなどを作り上げることで”捕われ”の印象、ウエストのゆるいテンションやカットソーがそれを中和させる。服を通して、バブル時代を経験した団塊世代から若い世代への移行、発進力の必要を問いた。
Photo:Tomohiro Horiuchi Text:Tomoka Shimogata