araisaraが2012 S/S collectionをミッドタウンホールにて発表した。
今シーズンのテーマは「昇」。「暗き時も陽何処かに在り続け 昇りて大地を照らし 沈んでなお月を通じ世を照らす」というメッセージはどんなときでも存在する太陽のように、コンサバでもアバンギャルドでもトレンドものでも、どのジャンルにも立ち現れる洋服の本質とはいったい何なのかという問題提起。araisaraはその回答に着心地と素材の良さ。そして必然性と偶然性を挙げ、今回のコレクションで提案している。
今期は新たに一珍染めと板締め絞りの技法を加え、手描き友禅、墨流し染め、九十九式など、伝統的な技術を使って時代に合わせたデザインを表現。レトロなジャケットに和のテイストのテキスタイルを合わせ、西洋モードと和の融合を提案。シックなワンピースの背中にはさりげなくプリントが施され、ゴールドのシースルー素材を使ったパフスリーブはゴージャスさを演出している。また時織を用い、偶然出来たもので規則性のある柄を必然的に作り出し、木漏れ日や光の筋を表しており、araisaraの考える洋服の本質を実践している。
ブラックを基調に、モードでクールなスタイルを伝統的な和のテイストと嫌味なく混ぜ合わせ、懐古的に陥らないバランス感覚の優れたコレクションだ。