2011年10月26日、恵比寿ガーデンプレイス内のThe Garden HallにてTOKUKO 1er VOL PRINTEMPS/ETE 2012が披露された。
待ちわびた強い日差しを思う存分浴びて、仙人掌の内なる歓喜の声が溢れ出る。それと同時に風の噂を頼りに、喜びを分かち合おうとやって来た。「MEXIQUE」をテーマに、目が冴えるようなカラフルな服がメキシカンムードへ引き寄せる。民族衣装の伝統的な色彩美を感じるフォークスタイルやエスニックプリントの数々。ピンクレッドのトロピカルプリント、チュールやティアードスカート、ヤシの葉のように重なり合うフリルが賑やかに音を鳴らす。砂漠のベージュにプリントをのせて刺繍、アップリケ、コミカルで可愛いモチーフが生地を支配している。ポップなドット、大胆な花柄とファンタジックなテキスタイルは、冬の寒さで丸めていた背中に新しい芯が入ったかのようにポジティプ。スパンコールやビーズは燦々と輝きを増していく。ミラーやチロリアンテープ、かぎ針レースといった細かいディテールにも、メキシコの情熱的な性格を落とし込んでいる。赤や黄、緑と原色的なカラーの中にネオンカラーを織り込んで、また新しい夏の訪れを予感させるデザイン。メキシカンハットをかぶって、シフォンドレスを可憐に揺らすモデルの姿は、ラテンリズムに誘われて箱から飛び出したクレヨンのようであった。