matohuの2012S/S Collectionがmatohu表参道本店にて発表された。

今シーズンのテーマは「日本の眼」第4章となる 「映り」。「映り」とは、それひとつだけでは生まれなかったもの、見所がわからなかったものが、互いに映しあうことで新鮮な美を作りだすことで、日本人はこの自由な取り合わせの美を独自の感性で育んできた歴史があるという。

淡い色のベース地からストライプの柄がどことなくシャープなイメージを演出。立体ボーダーはマリンのテイストにならないよう分断して肩、袖、ヒップラインなど部分部分に散りばめる。matohuの世界観を象徴するかのようなテクスチャーがロングジャケットには落とし込まれており、裾にかけてのゆるやかなフレアの重みが生地を落ち着かせ、シャープなAラインのシルエットに。色の重みを見るものに与える糸から染め上げたシャンブレーは、奥ゆかしさを感じさせ、プリーツスカートに重層感を与える。先の尖った靴は先端だけグラデーションに着色され、ドレスコードのようなかっちりさではなく、すっきりとリラックスした雰囲気のあるシューズに仕上がっている。

matohuの店舗内でショーが開催されたことで、よりmatohuの空気間に触れることができ、また屋内では感じられない風や、光に服がさらされることで「映り」という美意識をより鮮明に感じることができるコレクションショーであった。

Photo:Wataru Fukaya Text:Fumiya Yoshinouchi