2011年10月21日、Mercedes-benz connectionにて MOLFIC Spring Summer 2012が披露された。
新たな普遍性の追求を続けるMOLFIC。今シーズンのテーマとなったのは、”「ARCHITECTRIBAL」-建築物を身にまとう”。黒のシンプルなテーラードは光沢感のある滑らかな仕上がり。触れた瞬間、その形態に沿ってなびくような繊細な生地のジャケットや、伸縮性の高い襟シャツなどに黒、グレーをはじめコーラルオレンジやスカーレットが差し色となった。化合繊を駆使して、軽くて着心地の良い機能的な素材感を目指した。
デザイナー森氏が、旅先の空港などで目にする巨大建築物の枢軸部分となる骨格の強さに、見た目や精神的に重要な部分であるという印象を受けて展開された。太いストライプが入り混ざるトライバルタトゥーなど、鉄骨やネジなど建築物に見られる材料や道具から切り抜いた柄を多用。テーマは固いものだが、素材には柔らかいものを選りすぐったという。直線的なシルエットだが、実験的に女性的なデザインを取り入れ、より身体に沿った美しいラインを生み出している。3シーズン目となった今回、化合繊から発展したMOLFICの素材へのこだわりはこれからも衰えることはなさそうだ。
Photo:Koji Shimamura Text:Tomoka Shimogata
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