2011年10月17日、ラフォーレ原宿にてfur fur 2012 Spring&Summer COLLECTIONが披露された。
会場がまるでポプリのように、香り高く花々に包まれる。ヘアスタイリスト、ちなつ氏による紫陽花や薔薇などの大きなヘッドピースが夢心地な世界へ誘い込む。儚げなオフホワイトのレースやフリル、身体全体を包容する高貴な花と無垢な装飾。ホワイト、生成り、ネイビーのロマンティックな服は、砂糖のように繊細なその空間にさされている。シルバーのラメ煌めかせたボディに、魅惑的なワインレッドの口紅を塗ったモデルがゆったりと立ち歩く姿は、妖精たちが内緒話を交わすよう。ディテールにこだわった微細な素材の変化が、贅沢に使用されたレースやギャザーに見られる。机には、独創的な配色の草花のコサージュ、リボン、写真。少女が庭の小屋に密かに集めてきた、自然の宝石のように丁寧に置かれていた。
会場の中央にモデル、それを回遊するというショー展開となった今回。事前のコーディネートやフィッティングは一切無く、多岐に渡り活躍するクリエイターが集まって即興で作ることをテーマとしている。14:00よりラックに並んだ服を、スタイリスト、大森伃佑子氏がモデル達に自由に選ばせ、各クリエイターがライブペイントをしたり、コサージュを制作したりと服のイメージに合わせて会場で創作。ほんの数時間前に完成した、体温が残る空間と作品をそのまま提示する形となった。限られた時間の中だからこそ生まれる緊張感。「花を生けるように、服を生ける。作業の残像を感じ取ってもらいたい。」とチダ氏は語った。
CREATIVE DIRECTOR : Koichi Chida
fur fur DESIGNER : Aya Furuhashi
ART DIRECTION & STYLING : Yoko Omori
HAIR : CHINATSU (image)
MAKE-UP : Mariko Tagayashi and the M.A.C PRO team
MUSIC & BODY : Nao
YOiM DESIGNER : Sachiko Taguchi
PHOTOGRAPH : Suiren Higashino
TEXTILE COLLAGE : Miwa Nishio
COSSAGE : Yumeka Tanikawa